鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線――魚・肉・野菜・米 (晋遊舎ブラック新書 3)

著者 :
  • 晋遊舎 (2007年10月10日発売)
3.50
  • (2)
  • (4)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 9
2

流通している食品の『ウラ』を紹介する本。
基本的に新しく情報は得られなかったが、とりあえず魚のネタ本として購入。
『有名魚の代用品』『魚・家畜・農作物に用いられる危険な薬品』について書かれている。
商品名とは異なる魚を『加工』して食品を販売していることに突っ込んだりしている(第一章)いるが、解釈の仕様によっては、プロジェクトXのような開発物語もできるんだろうなぁと思ってしまった。
標準和名や学名に触れる機会が多い人はそんなに困らないが、『商品名を正しく表記する』ようにしたら、それこそ大混乱が起こる気がするのだが。
『種同定ミスで罰金』とか『お買い得!Paralichthys olivaceusのエンガワ!』とかいう世界がきたら、それはそれで面白そうだ。
味音痴の僕には、騙されようと騙されまいとどうでも良いのだが。
どうせ高級加工食材を買うこともないので、損した気分にはなるまい。
さて。
薬品に関する章では少々『?』が増えた。
カップラーメンの残り汁にゴキブリ、アリ、ナメクジを入れたら死んだという下りの文章があって、文章単独では嘘は書いてないし、矛盾もないのだが、前後の文章を合わせると、カップラーメン中の化学物質で中毒死したという雰囲気に誘導しているように感じる。
実際のところは昆虫ならラーメン汁中の油で気門が詰まって溺死することもあるだろうし、ナメクジだって高張液で放置されたら脱水することもあるだろう。
せめてもうちょっと具体的なエピソードを入れてから、残り汁のエピソードに持っていった方が良かったのではないだろうか。
そんな感じの文章から家畜肉編がスタートしたので、急に僕の中で、往年の名(迷)作『買ってはいけない』臭をプンと感じた。

※<a href="http://osakanabanashi.seesaa.net/article/105301291.html" target="_blank">当方ブログの蔵書目録コーナー</a>には,ブクログに登録できない古書・洋書・珍書リンクなどもありますので,もし魚本倉庫に興味をお持ちの方は,<a href="http://osakanabanashi.seesaa.net/article/105301291.html" target="_blank">こちら</a>も併せて御覧ください.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 食関係
感想投稿日 : 2008年8月26日
読了日 : 2008年8月26日
本棚登録日 : 2008年8月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする