エレンディラ (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (1988年12月1日発売)
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本棚登録 : 2265
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◆ガルシア=マルケスの7つのおとぎ話。◆カリブの海は満ちて引いて、薔薇の香りや蟹、幽霊船を町に運び、死の気配が寄せては返す。退屈な町を掻き回すジプシー、アメリカ人、上院議員、密輸商人。無垢な子どもらの将来は、大人が握りつぶして離そうとしない。仕方なく子どもらは、愛を捨て、自由へと逃亡する。引き換えに十字架と孤独を背負い込んで。◆描かれる死の世界は、味気ない砂を噛みしめるような現実よりも、ずっと穏やかで不思議と懐かしい。「大きな翼のある、ひどく年取った男」と「失われた時の海」が特別に好き。
【2014.06.23】

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2014年8月18日
読了日 : 2014年6月23日
本棚登録日 : 2014年8月18日

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