白いしるし (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2013年6月26日発売)
3.34
  • (207)
  • (474)
  • (671)
  • (221)
  • (55)
本棚登録 : 7886
感想 : 665
3

律儀で、とても細くて、言葉を疎かにしない人。『まじまさん』はきっと、一般的に言えばとても変わっていて、簡単に好きになれる人ではないんだと思う。それでもその人のことを心から好きと思える瞬間というのは、自分の中に新しい自分みつけたような気がして、世界が一変するような心地になる。これは相手が人に限らず、景色だったり誰かの言葉だったり、映画や本だったりなんでも起きうることなんだけど。そういう出来事がたくさんあると、ぼんやりとしていた自分の形がはっきりしてくる感覚がある。恋愛の甘さというより、報われる恋というより、日常に溶けきってしまっている『私』を救ってくれる物語だったのかなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月14日
読了日 : 2022年11月14日
本棚登録日 : 2022年11月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする