おひで―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年9月30日発売)
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本棚登録 : 131
感想 : 13
5

久しぶりに時代物を読みたくなって、本棚から選ぶ。何年ぶりかで、慶次郎に触れ、相変わらずいい男だと思う。
北原亞以子は、お話の終わりを引き摺らず、音が聞こえそうなくらいにストンと幕を引く。だから余計に、登場人物たちの心情を思いやってしまうことになる。登場人物は大抵、脛に傷持つ身だ。…いや、人は誰しも、特に長く生きていれば尚更、そうなのだろう。読み進むにつれて、自分の来し方を振り返り、重ね合わせて、しみじみと傷痕を撫でることになる。
余談だが、半分くらい読んだあたりから、お煎餅が食べたくて仕方なくなる。影響されやすい方はご注意を。
また、巻末には作者と児玉清氏の対談があり、幸せな気分になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2021年6月28日
読了日 : 2021年6月27日
本棚登録日 : 2021年6月22日

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