「はじめに」に書かれていますが、歴史学者が「司馬遼太郎」をあえて正面から取り上げ、司馬作品から入って、体系的に戦国時代から昭和までの日本史を学ぶ珍しい本であると著者は位置付けました。
そして、序章 司馬遼太郎という視点 として
歴史をつくった歴史家/頼山陽と徳富蘇峰
日本人の歴史観への影響/司馬作品のオリジナリティ
歴史小説と時代小説/歴史を奇想で崩した作家
動態の文学、静態の文学/なぜ歴史を学ぶのか
第1章 戦国時代は何を生みだしたのか
第2章 幕末という大転換点
第3章 明治の「理想」はいかに実ったか
第4章 「鬼胎の時代」の謎に迫る
終章 二一世紀に生きる私たちへ
おわりに
その国の人々が持っている「くせ」「たたずまい」、簡単に言えば「国民性」といったものは、100年や200年単位でそう簡単に変わるものではありません。
であるならば、20世紀までの日本の歴史と日本人を書いた司馬遼太郎さんを、21世紀を生きる私たちが見つめて、自分の鏡として未来に備えていくことはとても大切ですし、司馬さんもそれを願って作品を書いたいったはずです。
と総括しています。
私たち現代に生きる日本人が司馬さんの思いを受けとめ、未来の世代の為に司馬作品をどう読めばいいのか、そのことをうまくまとめた素晴らしい本でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2017年7月30日
- 読了日 : 2017年7月30日
- 本棚登録日 : 2017年5月23日
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