美味しそうな蜜がたっぷりかかったパンケーキの表紙で美味な世界に期待。
「もし明日人生が終わるとしたら…」
冒頭のフレーズ。
何を食べたいかという、最後の晩餐をふんわり妄想するシーンが続くのかと思ったら、事態は異なり、「私は喜ぶ」と続きました。
それからは、生きづらさが刹那的に展開されていきます。ある意味表紙に引っ張られた私は、裏切られたような気分になりましたが
大丈夫です。
宮下奈都さんが解説されているように、人とひととのつながりが、自分の居場所を作るんですね。孤独と生きづらさを抱えていた主人公の碧が、大人になり、仕事を失い、恋人も失い、知らない土地で、自身を救ってくれた蜂蜜、養蜂業と出会う。地域の人たちに助けられ、自分の居場所を少しずつ作っていく。そして碧も、人を助けて、まわりのひとの居場所をいつの間にか作っていくというお話。
蜂が一生かかって集められるの蜜の量は、匙一杯分、1度刺してしまったら死んでしまうこと、スズメバチが近づくと蜜蜂は一斉に羽を震わせて威嚇する。そうして蜜蜂の体温でスズメバチを熱殺すると、力を使い果たした蜜蜂たちも死んでしまう。
蜂の生態について知らないこともたくさんあった。
また、蜂蜜を使った料理も魅力的。
人生は、碧のように強くしなやかに生きていくのは、難しいかもしれないけれど、
もしかしたら、ひと匙のハチミツと、ごはん食べて自分に誠実にいたら、なんとかなるかも、そんな勇気をもらえました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月3日
- 読了日 : 2023年1月3日
- 本棚登録日 : 2023年1月3日
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