大学崩壊 (宝島社新書)

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  • 宝島社 (2000年6月1日発売)
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大学は新しい時代を迎えているのだそうである。「ユニバーサル時代」という、高等学校卒業者の50%以上が大学に進学する時代で、「大学を選ばなければ、不合格となることのない時代」と言うのだーと、される。

著者は、大学を構成する教授も、教授会も、学生も、大学に居るにふさわしくないものが、多すぎると警鐘を鳴らす。
教員の組織は「近親相姦的純血主義」で身内のカバイあい。教授会は学内政治屋が理事会と結んで、内向きになりすぎている。学生は知識も、意欲もなく「シラケている」。身を切るような大学改革を行いきった教育機関だけが生き残ると良いとも書く。

学生のシラケ現象は「受験校を決定する段階で、すでに志望校をかなり高い可能性で『合格』するところに決めているところからきているようだ」と推測。入試改革は「教養と文化の解体への防止策」としても必要と、訴える。教員は学会ですら「『○○を知っているか』が議論され、『考える力が乏しい』」との児玉隆夫・大阪市大学長の言葉を引用する。

なにより「日本的なタコツボ」と化した学問にかわる「新しい知の体系を確立するため」には、「(大学教員任期法ではない)大学教授任期法」の施行を提言している、が。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 人文科学
感想投稿日 : 2008年8月3日
本棚登録日 : 2008年8月3日

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