症例でわかる精神病理学

著者 :
  • 誠信書房 (2018年7月5日発売)
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本棚登録 : 161
感想 : 9
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木村敏さん・中井久夫さんとかのお弟子さん(?)の松本卓也さんが著者の本当に分かりやすい精神病理入門書。
僕は、国試レベルの記述精神病理の知識と高校の倫理の知識しかなかったけどスラスラ読めました。全部面白い!特に統合失調症と自閉症の章が本当に面白い…(幻聴が「対象なき知覚」ではなく、「聴覚における受動的体験」という捉え方とか、エポケーから抜け出せないのが統合失調という考え方とか、自閉症のタイムスリップ現象とか、カントでいう「悟性」が働かない状態だとか)。力動精神病理についても基本的なことを知れてよかった!
鑑別という観点よりも、病自体を深く理解するっていうとこに重きを置いてますね(当たり前か)。

ディルタイの「了解」という概念自体は、医師によって結構ブレが出そうだなと思いました。
あと統合失調症における意味妄想は知覚連関の弛緩で、機能幻覚は意味妄想が派生したものっぽいとなんとなく思いました。

自治医科大のCC見学したいな…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月19日
読了日 : 2023年3月19日
本棚登録日 : 2023年2月1日

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