こんな時間かけて読んだ短編は久しぶりでした。感情もみくちゃ…。各話での感情の厚みがありすぎて、逆にお腹いっぱいになってしまい、途中で「まだ半分くらいしかしか読めてない…!?」などと嬉しい悲鳴を上げていました。どれも好きでしたが、一度の大量摂取は無理でした。最高です。
個人的に、耳彦が好きにも嫌いにもなれない両極端の存在でした。決してどうでもいいという意味ではなく。人くさいどうしょうもない浅ましさがありながら、かと言って徹底した悪党ではなく優しいところには心を打たれてしまうし、という。こいつを好きというのは癪だな…しかし今この行いに泣いてしまうほど心が動いたのは確か、悔しい…。ってずっと唇を結んでしまいました。
各話の中で爪痕を残されたのは、〆と地獄の2話がダントツです。もう、助けてくれ。気持ちの置きどころがどこにも無い。
切なさの達人、それが山白朝子名義ではやるせない切なさ、ダークな部分をありありと見せられて感無量です。人が理解しうるぎりぎりまで怪異を味わえて楽しかったです。ありがとうございました。引き続き続編も読みたいと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月3日
- 読了日 : 2023年6月28日
- 本棚登録日 : 2023年6月13日
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