自分自身の体験として人から言われた「甘え」に関するいくつかの台詞がずっと頭にあって、手に取った。
なぜこれがベストセラーになったのか、理解できない。
「第3章「甘え」の論理」において、「国民性はその言語に反映しているはずだという考えを前提とするものであるが、しかし私はこの点について専門家の意見を知りたいと思い、たまたま言語学者サピアの著書を繙いたことがある。するとそこにはこのような前提がはっきりと否定されているので、私はちょっとばかしがっかりした。しかし私はそれが専門家の意見であれ、それに素直にしたがうには、すでにあまりにも甘え概念の魅力にとりつかれていた。」と中盤で述べられていて、一気に冷めてしまった。仮説に基づく検証をして、違う結果が得られたのであれば、再度違う仮説を立てる、ということが論理的な態度であると思う。
日本ばかりでないという前置きも多々あるが、そもそも「甘え」という言葉を軸にした日本人論という体裁なので、「日本人」自意識の発露の連続のように感じられて、うんざりした。
ところどころ面白いと思える箇所もあったが、それらを拾い直してみると、大体他著者の引用文だったので、私には必要な本ではない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2022年2月21日
- 読了日 : 2022年2月21日
- 本棚登録日 : 2022年1月5日
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