世界神話学入門 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2017年12月14日発売)
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感想 : 29
4

とにかく扱ってる話題がおもしろい。詳しい話を聞いたことがない。でも、章立てやエピソードの整理には改善の余地があるような...

世界各地で伝わる神話の共通性は、大航海時代以降に伝わった部分もあるにせよ、それでは説明できない、つまり、人類の移動/移住の歴史で説明される部分が少なくない。

読み終わっても整理できていないけど、例えばこんなモチーフが広く見られる。

釣り針/槍をなくすと動物の世界に行って動物の長と仲良くなり、帰ってきて幸せに暮らす。浦島太郎、海彦山彦。
脱皮できなくなったから人間は死ぬ。
世界は無か水か巨人か卵の中から出てくる。
大抵、太陽と月は男女で、星は動物。何かと追いかけっこをしている。
...その他いろいろ

多くの神話は、
偉い人あるいは神を崇めさせるようなタイプ(ローラシア)
と、
自然の中にいる精霊とかとのやりとりが断片的に描かれるタイプ(ゴンドワナ)
にざくっと分類でき、大まかに、前者は農業革命以降(=10kyaくらい以降。余剰資源の備蓄開始、統治者,聖職者の誕生)、後者はもっと昔(言語や抽象概念の成立以降)に成立したと考えられる。

今成立してる制度やモラルの硬直は、こういう観点を入れれば組みなおすことができるかも。
"昔から"という正統性のおおもと(神話)は、人間共通であって国特有ではなかったり、社会の統治の開始以降という歴史以上のものは持っていなかったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: カテゴライズされ待ち
感想投稿日 : 2018年3月11日
読了日 : 2018年8月3日
本棚登録日 : 2018年1月4日

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