佐藤氏の著者はとても知的で、内実を知らない人じゃないとわからない視点から世界の事象を見ることができるため、とても好きでよく読んでいる。今回は、テーマが創価学会ということで、著者がこの宗教法人についてどのような視点を持っているのかというものに興味があって読んだのだが、結果は期待外れであった。内容が、創価学会に肩入れしたようなものになっているからというわけではなく、著者にしてはあまりにも視点が偏っていて、創価学会側が出した資料ばかりを引用して話が展開する点にがっかりしたのだ。もっと客観的かつするどい視点を期待していただけに、残念な印象しか残らなかった。集団的自衛権容認について、創価学会が果たした役割という視点では、著者の論じている点はその通りなのかもしれないが、もっと逆側からの視点も取り入れた論述をしてほしかったところだ。しかし、創価学会と聞いただけで盲目的に毛嫌いするだけでは真実は見えてこないという視点を提供したところは評価したい。
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- 感想投稿日 : 2015年5月25日
- 読了日 : 2015年4月25日
- 本棚登録日 : 2015年5月25日
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