ジャイロスコープ(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ゆるく繋がった連作短編
    読むのに時間がかかってしまった
    浜田青年ホントスカがすき
    というか、伊坂さんの、性根のいいワルが好き

  • 伊坂幸太郎の短編集。
    色々な雑誌に掲載された作品をまとめあげて、最後に書き下ろし作品が受け皿となって纏めあげられている。
    浜田青年ホントスカ、ギア、二月下旬から三月上旬、if、一人では無理がある、彗星さんたち、後ろの声がうるさい、
    浜田青年ホントスカはいつもの殺し屋伊坂でほっとしつつ、トリックには感心した。
    ギアは終末の世界で化け物に追われるけれども、追われる最中にも不気味な雰囲気が漂い続けるのが魅力に感じた。
    けれども、説明臭くなりすぎたのは少し残念かも。こういうのは、あまり説明し過ぎない程度がいいのかも。
    2月~は、幻覚と妄想が現実と混濁してしいる不気味さを感じさせる、ギアとは違った作品になってた。妄想代理人を思い出す感じ。でも、坂本ジョンは実在しており、未来の話であるのには伊坂らしいスッキリさがあって、結末は大分好みだった。
    ifは凄く良かった。ループものと思いつつも、ループではなく、ever13のような時間経過物だった。他の乗客が途中で意味が分からない発言をしたと思ったけど、それが嵌まった時には興奮と嬉しさすら覚えた。やり直す事は出来ないけれども、名誉挽回のチャンスはいつの日かくるかもしれない希望を提示してもらった気がする。
    一人では無理があるは、冒頭の赤ちゃんが育って、ミスが逆転に繋がる天性を持つ松田に育つかと思いきや、松田がそのミスによって救った相手だったのには見事にはめられた。
    サンタクロースの話も夢がないようで、プロフェッショナルぶりに夢があったのもよかった。最後に、冒頭の娘が母親に内心で頼ろうとした際、自分も既に母親だということに気が付いた場面は美しいと感じた。
    彗星さんたちは、地味ではあるけれども、仕事とプライベートを頑張る、現代人達への応援する力を感じる。誰かが見てると思って頑張るべきであると、励ましてもらえた。また、どんなに辛い状況に追い込まれても、自分が一番辛いんだと思うのは駄目だと、再認識させられた。
    後ろの声がうるさいは、この短編集のために書き下ろされたのだが、作品の総決算に留まらず、独立した話としても凛としていた。相談屋、セミンゴ、坂本ジョン、バスジャック犯、サンタクロースといった人物と設定を見せているので、ワクワクを期待していただけに、最後のしんみりとくる話には胸を強く打たれてしまった。やるなぁ、伊坂!

  • ちょっと想像力が高度すぎて、私には結末がよくわからなかったです。

  • 別々の雑誌に掲載された作品を纏めた短編集。かと言って完全に別の話ではなく所々リンクしている所があるのでそれを見付ける楽しみ方ができます。一番好きだったのはif。短いながら騙しと挽回があって良かった。

  • 浜田青年ホントスカ
    そっちがやる方なんだ。最後どうなったんだろう。

    ギア
    メタ小説。

    二月下旬から三月上旬
    何が想像で何が現実なのか分からない。現実だったらいいな。

    if
    タイムリープものかと思った。

    一人では無理がある
    よく物流業者もサンタさんの一部だ何て言うけど、ガチな職業サンタさんでした。

    彗星さんたち
    この短編集のなかでは一番好き。メリーポピンズいいですね。《スプーンひとさじの砂糖》聞いたらこれかぁー!ってなりました。

    後ろの声がうるさい
    このお話しがあるとなんか全体的にまとまりがでますね。

  • 伊坂幸太郎さんらしいおかしな登場人物

  • 風変わりな登場人物たちが、独特の世界観で勝手なことを喋ったり行動したりする一部の伊坂作品特有のストーリが集まった短編集。

    あとがきを読むと、どうやらぜんぜん違う時期に、異なる媒体で、いろんな事情で掲載した物語を集めているようで、それにしては最後の最後で登場人物やストーリーや伏線?をまとめにかかっているようで、それもある意味伊坂さんの手腕の一部か。

    新幹線清掃のお話はとても好き。あとクリスマスもね。

  • 短編集。どれも面白かった。「ギア」は訳が分からなかったが、「後ろの声がうるさい」を読むと、セミンゴがなんだか愛嬌あるやつに思えてくる。新幹線通勤をしているが、「彗星さんたち」で階段の途中のドアの謎が解けた。

  • 不思議な世界観をもつ短編集。
    それぞれ同じ世界にいながら独立したテイストの違う話なので飽きずに読めた。
    「一人では無理がある」がピタゴラスイッチのごとくばらまかれた伏線が回収されて爽快だった。

  • 著者の作家生活15周年記念短編集。ミステリー、SF、お仕事小説いろいろあれど全てに著者の魅力が詰まったまさに伊坂フルコース。最も心を動かされたのは新幹線の清掃係が舞台の「彗星さんたち」。あらためて思う。本を通して多くの人生物語を経験できる幸せを。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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