国家権力を制限することで個々人の人権を護ろうという理念として語られるのが通例である立憲主義を、異なる(筆者の言葉を借りれば「比較不能な」)価値観を持つ人々が公平に共存すための枠組みと捉えられている点に目を惹かれる。
特に注目させられたのは、筆者が立憲主義、特にその公と私の弁別について「人の本性に反する」(p15)と言い切っている点である。人々が「人間らしい生活を送るため」(p9)の共存の枠組みが、人間の本性に反したものであるとは。価値観・世界観が異なる人々の共存とは何と困難なものであることか。
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- 感想投稿日 : 2012年4月11日
- 読了日 : 2012年4月9日
- 本棚登録日 : 2012年4月9日
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