日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)

著者 :
  • 岩波書店 (1967年5月20日発売)
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感想 : 63
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例示を厚く記載してくれているので、とても読みやすい本だった。
集団の和を重視し法を曖昧にゆとりを持って解釈しようとする日本の法意識と、個人の権利を重視し法を明確・厳格に解釈しようとする欧米の法意識の差異がよく分かった。
現代法の概念は欧米で生まれたものなので、欧米の法意識の方が適切に思える一方で、曖昧さやゆとりを持つ日本の法意識から生じているメリットも間違いなくあるのではないかなと思う(自身の仮説ではあるけれど、日本の犯罪率の低さの要因の一つもここにあるのではないかなと思う)。
必要な場面(特に国際的なビジネスの場面など)では、信頼獲得などのために法意識を変えていく必要があるとは思う一方、日本人同士の争いについてまでも西欧のような法意識への転換を図る必要はないよなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 法律・政治
感想投稿日 : 2023年4月20日
読了日 : 2023年4月20日
本棚登録日 : 2023年4月20日

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