気がつくとまだ本書を読んでいなかった。追悼の気持ちで読む。
旅をテーマにしたオリジナルのアンソロジー。旅をしているときのふだんの自分から離れた曖昧な感じ、旅人がよそから来たまれびとである感じを思い出す。トレヴァーの、みっともなく後ろ暗い我々の感情や人生の断面を思わぬ形で切り取って差し出してくる「巧さ」。しかし冷酷でシニカルなやり方ではなく共感に裏付けれられており、胸を打つ。
トレヴァーの死去を機に…とは言わないが、これからも彼の作品がもっと翻訳され、読めるように願っている。未紹介の名品がまだまだあるはずだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外
- 感想投稿日 : 2016年12月8日
- 読了日 : 2016年12月8日
- 本棚登録日 : 2016年2月15日
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