『深夜特急』の沢木耕太郎が旅に出たのは27歳、この本の著者小田実が旅に出たのも27歳。この両著が影響を与えた人の数は計り知れないだろう。海外に出ること自体が珍しかったであろう60年代当時、彼の何とかなるやろうという考えだけで世界一周に出てしまうバイタリティが羨ましい。
昨今は世界旅行なんかもかなり手軽になっており、旅の様子もネットで簡単に覗き見ることができる。そういうのが寂しいと思う一方で、便利なものは享受すべきだとは思う。その国の一部、共同便所だけ見て汚かったというのは簡単であるが、綺麗なマンションだって美術館だってあるだろう。
当時の彼と同い年の私であるが、勇気を貰ったような、もう旅に出る必要なんか無いような、打ちのめされた気持ちになった。少なくとも、10日間ばかしの休みを取れるだけマシと言われるようなこんな生活には嫌気がさしてきた。
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- 感想投稿日 : 2019年2月20日
- 読了日 : 2019年2月20日
- 本棚登録日 : 2019年2月20日
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