新体系・高校数学の教科書 上 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2010年3月19日発売)
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本棚登録 : 681
感想 : 20

某ECサイトのレビューで、高校生のときに挫折した人が大人になってから簡単に学び直す目的で読んで期待外れだったと書いている人がいたのだが、そもそもこれはそういう本ではないことに注意が必要である。
タイトルも「新体系」なのであって、「○日でマスター」などのお手軽なものではなく、難易度や説明方法はまさに高校数学の教科書を思い出すものであった。
高校生のときに挫折して一からというつもりで読むのであれば、高校生のときに挫折したことに挫折しないだけの気概は必要である。

私の場合は特に高校数学に挫折した訳ではないが、今後趣味的に数学を楽しみたいと考えたときに高校数学もマスターしているとは言い難いと判断し(大学受験をしていないため、演習量などが極端に少ない筈だ)、まずは高校の教科書を通読するつもりで読んでいる。
なお現在下巻の真ん中あたりまで進んでいる。

当初は高校数学を復習するならば高校生向けの教材を用意するのが量的にも(選択を間違えなければ質的にも)充実していて良さそうだと思ったのだが、ある高校生をターゲットとした教材は、実は2年間待たないと揃わないという問題がある。
そして2022年度の学習指導要領の変更により、今のタイミングだと「21年度までの3年分のものを一気に揃える」か「24年度まで全ては揃わない」かの2択を迫られることになる。なお「その都度必要な手に入るものを手に入れる」は網羅性に不安があるのでお断りである。
そんな背景もあり一般向けの本書を選択したが、新体系と謳っているだけあって、高校生活に合わせて類似の内容が離れてしまう宿命にある高校教科書よりも纏めて類似の内容を学べるので、進めやすいのではと感じている(比較していないので印象である)。

先にも書いたが、本書はかなり高校数学の教科書的である。
まずはその単元で扱う内容の説明があり、公式の類を紹介し、その証明をし、例題を記載し、練習問題があるといった感じである。
大人になって勉強が教科書とノートではなく読書になると、どうも問題を読むだけで分かった気にしがちなのだが、上巻の前書きにもある通り練習問題は考えるようにした方がいい。
最初は紙とペンを使わずに暗算だけで練習問題も取り組んでいたが、何か別のトレーニングになっている気がして下巻になってからはすぐに解法が分かってあとは計算するだけ、といったもの以外は紙に書いて取り組んでいるが新鮮で中々楽しいものである(し明らかに理解度に違いがある)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自然科学
感想投稿日 : 2022年3月10日
読了日 : 2022年2月20日
本棚登録日 : 2021年12月18日

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