裁判員: もうひとつの評議

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  • NHK出版 (2010年4月1日発売)
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【裁判員(もうひとつの評議)】 小杉健治さん

裁判員制度が導入されたが、まだ死刑判決は無い。
この度初めて死刑判決を伴う殺人事件の裁判に選ばれた
堀川を含める6名の裁判員。

被告は犯行を否定している。
もし被告が正しければ無罪である。
しかし、被告が真の犯人ならば死刑となる可能性が高い。

無罪か死刑か・・

裁判員は検察や弁護士の冒頭陳述を斟酌し、刑罰の有無を
判断しなければならない。

しかし、評議の途中で検察も弁護士も警察さえも
気づかなかった疑問点が浮上した。

裁判員は再捜査を希望するが、公判前整理手続きは
既に終えており、裁判員の希望は聞き届けられず、
現状の証拠を元に判断を下さねばならなくなった。

欠陥だらけの証拠を提示され、それを元に裁判員が
評決を下した結果、被告人に死刑が宣告された。


その後、被告は拘置所の中で「むじつ」と血文字を残し
自殺を図った。


裁判員に選ばれた6人は証拠の不備を知りながら
判決を下し、その結果、被告人が自殺を図ったことに
衝撃を受ける。

堀川は良心の呵責に耐えられず、個人で事件を調べ始める。



公判前整理手続きが終わって後は、よほどのコトが無い
限り、再捜査されることはない。
それは、警察の失態となるからだ。

裁判を受ける被告人の一生にかかわる問題。
少しでも不備が見つかれば、徹底的に調べるべきだと
思う。 この本に書かれているようなコトが
実際にあるんだろうか。。

 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小杉健治
感想投稿日 : 2011年3月23日
読了日 : 2011年3月23日
本棚登録日 : 2011年3月23日

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