1番の収穫は何者にもならなくてもいいってところ。
今SNSの普及で感じてるとにかく何者かにならなきゃいけないとか、何者かになれるような気になってしまってる人に捧ぐ。
大量の凡人として生きることがどれほど幸せなことかというのを独自のパワーワード炸裂で書いてあってツイッタランド人民には馴染み深い、インスタ人民には少々強烈すぎる内容でした。
そしてツイッタランド人民の私はめっちゃ楽しく読みました。
現代の承認欲求病と信仰者の比較では、イスラームの承認欲求と無宗教の承認欲求が比較されてて、信仰者は神のみが承認を与える存在でそれ以外の承認など必要ないが、無宗教の場合は他人という無数の存在に承認されないと気が済まない。
そんなこと無理だし、無理なことを求めてしまうそのバカさで不幸になっているというぶった切りが最高に気持ちよかったなー。
でも、そもそも承認欲求のためにSNSやってるかどうかは世代差あるけど。
あと、承認欲求はもともと西洋の考え方でキリスト教がルーツとか、そんな承認欲求に文化とかあるのって驚いたしそもそも生きる上で、承認欲求なんてつきものなんじゃないの
ってその考え方自体が現代病なんだなってところが面白かった。
だからといってイスラームになれとかそういう押し付けがましいことは絶対言ってこない。この作者の徹底した自己責任論者な姿勢がただの読み物としてこの本を成り立たせていた。
自分に何ができるのかを突き詰めて考えることもせずに、ただ知識をつけて何かを分かった気になって何者かになれるような錯覚を抱きながら何者にもなれないなんて嘆くのはバカそのものですねってのは突き刺さったなー。
老人についてや幸福について死に方についても書かれてたけど全てにおいてその目の前にある現実で満足できないのはなぜだか考えろ、どうして今の自分から変わらなくてはいけないと思わされているのかよくよく考えて見抜けよっていうメッセージが、情報に脅されて踊らされてるだけの日本人を少し楽にしてくれる気がした。
- 感想投稿日 : 2019年3月30日
- 読了日 : 2019年3月5日
- 本棚登録日 : 2019年2月21日
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