日本の仏教史の全体像を把握したいと思い、購入。
1958年初版ということもあり、字も小さく、一見するといわゆる”岩波新書”の王道っといった感じでやや読みにくい感じがしたのだが、いざ読み始めてみると、「すーっと」まるで自分の体の細部にまで染みわたるように流れ込んできた。今まで知りたかったことが自然と自分の脳裏に刻まれていき一気に読了。筆者の渡辺氏は唯物論に染まらず、霊的視点を踏まえて仏教解説を行った貴重な学者であると、改めて敬意を表する。本書の最後の1文を読んだとき、涙が溢れて止まらなかった。「私が本書において過去現在の日本仏教に対して遠慮ない批評を加えたとすれば、それは、この泥まみれになっている仏教を洗いあげて、再び元の輝きをとりもどすことの急務を痛感しているからに他ならない。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本・社会
- 感想投稿日 : 2022年9月27日
- 読了日 : 2022年9月27日
- 本棚登録日 : 2022年9月21日
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