帯に書いている「本当に恐ろしい大衆煽動は、娯楽の顔をしてやってくる。」ということの古今東西の事例が紹介されていた。戦前日本、旧ソ連、オウム真理教、イスラム国etc.
お堅いイメージのあった大日本帝国の軍部にも「楽しくなければプロパガンダは浸透しない」と主張した幹部がいたことに驚いた。
確かに学校で教師が教えるようなプロパガンダでは、面白くなく興味が持てず全く浸透しないであろうが、娯楽の顔をしてやってきた場合、まずそれがプロパガンダであると気づかず、知らぬ間に一定の方向に扇動されうるであろう。
今後娯楽の顔をしてやってくる大衆煽動をそれと見抜くには、「歴史(過去)に学ぶ」しかない。
歴史に学ぶに関して、最近読んだ「新しい労働社会 濱口桂一郎」の言葉を思い出した。
~以下、引用~
私は労働問題に限らず広く社会問題を論ずる際に、その全体としての現実適合性を担保してくれるものは、国際比較の観点と歴史的パースペクティブであると考えています。少なくとも、普通の社会人、職業人にとっては、空間的及び時間的な広がりの中で現代日本の労働社会をとらえることで、常識外れの議論に陥らずにすみます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
知的好奇心
- 感想投稿日 : 2020年12月31日
- 読了日 : 2020年12月31日
- 本棚登録日 : 2020年12月31日
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