直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍: 経営の知的思考

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  • 東洋経済新報社 (2020年6月26日発売)
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新型コロナウイルス感染症の先行きが見えず、不確実性が増す中、企業はいかに“決断”すべきか。危機への対応策を決断する際にも有用な「思考の筋道の基本」を説いた書籍。

すべての決断は、「発想し、論理的に検証し、最後に跳躍をする」という3ステップで構成される。この決断に至る3つのステップでは「直感、論理、哲学」という3つの思考法が、それぞれ重要になる。

「いい発想」の条件は、次の3つ。
①発想の大きさ:広い範囲で有効である可能性が高い。
②発想の奥行き:さらなる発想の展開可能性が大きい。
③発想の意外さ:類似の発想や常識からの距離が長い。

いくら論理的に考えても、不確実なことは残る。その迷う部分に見切りをつけ、不確実な未来に向かって「跳躍」しないと、実行は始まらない。跳躍するための哲学は、次の2つ。
①不可逆なジャンプに「踏み切る」ための哲学
②踏み切り後、「走り続ける」ための哲学

跳躍する前は、将来にとるべき行動は具体的には見えない。しかし、哲学をもっていれば、不確実な未来の中でも、自分の行動に対して市場などが反応し、その事態に合わせて行動できると信じられる。哲学は将来構想の拡がりの可能性「奥行き感」をもたらし、これが心の安定を生む。

データは、論理的検証のプロセスでは意義をもつが、跳躍にはあまり役立たない。その理由は、次の2つ。
①過去のデータは、跳躍を迫られているような状況では、エビデンスとしての意味が小さい。
②人間はデータには共感せず、魅力的な考え方に共感する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年9月27日
読了日 : 2021年9月27日
本棚登録日 : 2021年9月27日

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