仕事の哲学 働く人が自ら考え、行動する会社とは

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  • PHP研究所 (2020年8月22日発売)
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「仕事の哲学」を踏まえない、小手先だけの働き方改革では、ビジネスパーソンも企業も不幸になってしまう。キヤノン電子社長が、長年の経験で培った仕事への姿勢を説いた書籍。

働き方改革の取り組みの1つに「長時間労働の是正」がある。
だが、長時間残業や休日出勤を罪悪視しすぎると、「全力で働こう」という意欲が薄れ、楽をしようと考える社員が増える。

働き方改革にともない、「テレワーク」も推奨されている。
だが、これはオフィスと違い、判断に迷った時、近くにいる人にすぐ相談できない。よって、すべて自分1人で判断できるぐらいの知識がないと、テレワークでは生産性が落ちてしまう。

今の日本では、集中して働くことで生産性が高まるという考え方が主流で、勤務時間が終わると仕事から離れる。
しかし、開発や設計、研究など、閃ひらめきを必要とする仕事では、1日中仕事のことを頭の中心に置くことで、よい考えが浮かぶ。

ベテランになると、若手の頃に比べ経験は増えるが、柔軟な発想が失われる。発想で若者に敵かなわないベテランは、20代の頃よりも何倍も勉強し、足りない能力を補う必要がある。

社員が「この会社で働きたい」と思うには、その会社への信頼が重要である。社員の信頼を得るためには、経営陣は「社員は自分たちが守る」という覚悟を持つ必要がある。

キヤノン電子では、自分で考え、動く習慣をつける目的で「ピカイチ運動」を行っている。4~5人のチームが各々テーマを決め、実現方法を考えるというものだ。例えば、ある工場のチームが「世界で一番よい挨拶」をテーマとし、毎朝の挨拶を始めたところ、他の人たちも真似て、全体が挨拶するようになった。すると、仲間意識が生まれ、製品の不良も減った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: TP
感想投稿日 : 2021年10月11日
読了日 : 2021年10月11日
本棚登録日 : 2021年10月11日

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