数で遊びながら,証明,無限などを味わう。何気なく使っている数だけど,そこにとどまるのではなく,当たり前のようなものでもしっかり分析することは派手さはなくても深さにつながることを体感できる。
マイナス×マイナス=プラスへの導き方に,(1次元)ベクトルと「180度方向転換」という表現を用いているところは参考になる。特に,「反対になる」ではなく「180度方向転換」と周到に言い表すことによって虚数への伏線を張っている。
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電卓やコンピュータは,確かに“計算”はしてくれますが,代わりに考えてはくれません。紙と鉛筆を用意して,自分の手で一つずつ計算を確かめていくと,知らず識らずのうちに,一番大切な“考え方”が身に付いてきます。
世の中に,自分で考える力を持った人ほど“強い人”はいません。また,自分で考えるほど面白いことはありません。本に書いてあるから,先生が言ったから,といってそのまま信用せずに,必ず“自分の手”で確かめて下さい。そうすれば,不思議なことが山のように出てきて,どんどん数学が楽しくなってきます。(p.9)
数学は,具体的な事例から離れて数や記号を扱います。だからこそ,様々な分野に応用できるわけですが,それを理解するまでは,やはり身の回りにある実際の例に馴染んでいくしかありません。いきなり“記号の海”へ飛び込んでも溺れてしまうだけです。(p.152)
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カテゴリ:
数学-office
- 感想投稿日 : 2016年2月5日
- 本棚登録日 : 2015年11月13日
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