大人が知らない子どもの体の不思議―子どもは大人のミニチュアではない! (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2008年10月21日発売)
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感想 : 11
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 小児科医が,子供の身体の仕組みを紹介。第一部は総論,第二部以降で素朴な疑問に答えるQ&A。内容は,いたってオーソドックスで平凡な印象。
 素朴な疑問にたいして,医学的実証に基づいた回答のほか,「幼児はなぜ下ネタが好きなのか?」など確証があるわけでない回答も。でもこれはこれでそう考えるのが合理的というお医者さんの意見ということで,結構説得力がある。
「よくわからない」という回答も意外に多い。「早期教育は効果があるのですか?」とか。
 面白かったのが,「産湯に浸かったときの記憶」は「偽記憶」だと三島由紀夫を一刀両断していたとこ(p.148)。三歳より前のエピソード記憶は考えにくいそうだ。大きくなってから写真を見たり親から聞いたりした内容を,自分の体験と混同してしまう。記憶が捏造されているわけだ。
 胎内記憶もありえないね。親の期待に迎合してるにすぎない。子の曖昧な応答を周囲が早合点してることもありそう。それに,自分のした「ママのお腹の中のときの話」が大人たちに受けたら,次第に自分でもそれが実体験の記憶だと信じ込んでしまいそう。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教育・子供
感想投稿日 : 2012年7月30日
読了日 : 2012年7月30日
本棚登録日 : 2012年7月30日

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