ふしぎな国道 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2014年10月17日発売)
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本棚登録 : 549
感想 : 78
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天下の公道についての雑学。極めて身近だけれど,注目されることの少ない「道路」の魅力が軽妙な文章で楽しめる。著者は本業の化学の本もいいけど,それとはまったく無関係のマイナー趣味についてもこんなに書けるなんて…。はしがきで語られる道路哲学から素晴らしく,ぐいぐい引き込まれる。ほとばしる道路愛。
それでいて読了して得られるものが,まるで無駄な知識だけかというとそうではない。道路にかすかに残された「何だこれww」的な遺物を通して,近代日本の成り立ちや,道路に関わる人々の思惑にまで思いをはせることができる。歴史や人間についての理解も深まること請け合いだ。
おにぎり,だんご,ヘキサ,階段国道,海上国道,エレベータ国道,国道グッズ,国道ソング,国道完走,非国道走行。興味深い豆知識や使ってみたくなる業界用語が満載だ。もっとマニアックな国道本もあるだろうけど,一冊目として特にふさわしい本と思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 技術
感想投稿日 : 2014年12月4日
読了日 : 2014年11月30日
本棚登録日 : 2014年10月15日

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