犬は「びよ」と鳴いていた: 日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書 56)

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  • 光文社 (2002年8月20日発売)
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何気なく日常で使う擬音語・擬態語の歴史を紐解く。

最後にそれらを意識したのは、10年前に小学校で宮沢賢治の『やまなし』を扱った時だろうか。「くらむぼんはかぷかぷわらったよ」の「かぷかぷ」が今でも忘れられない。
馴染みのないこの擬態語ですら、未だに根強く記憶に残っている。

擬音語・擬態語の豊富さは日本特有であり、外国人がニュアンス含め完璧に理解することは困難を極めるだろう。しかし、我々日本人は細かなニュアンスまで共通認識を持つ。

というのも、擬音語・擬態語の53%は900年間受け継がれているらしい。もはや我々のDNAとも言える。

先日まで海外を放浪していた僕はそのDNAを持ちつつも、日本文化に疎いことを思い知らされた。恐らく我々は思っている以上に自国について知らない気がしている。

それは海外で日本人が日本人たるアイデンティティを失うことに等しい。

そんな中、本書は我々が無意識的に持つ独特の感性、すなわち一つのアイデンティティのルーツを探るヒントを与えてくれた。

今後は擬音語・擬態語に着目しながらSNSや会話することになるだろうし、日常に一つ彩りが添えられたような気がする。


※後半は具体例が多く、流し読み。前半の好奇心を刺激する勢いを失っていたところは少し残念。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年12月16日
読了日 : 2020年4月7日
本棚登録日 : 2019年11月29日

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