書評サイトHONZの主催者である著者が選んだ、ここ20年のベスト100冊。一部、小説もあるが、ほぼノンフィクションである。
100冊が、科学・歴史等のテーマで大まかに分類され、各タイトルについてコンパクトに解説されている。本の内容を直球でまとめた形だ。こういうまとめ方はノンフィクションならではだろう。これが小説ならば、あらすじだけぽんぽんと並べても、よきブックガイドにはなりそうもない。
ノンフィクションの難しいところは、古くなりがちなところかもしれない。
科学系や社会風俗系だと、いや、それ今頃読むのもどうよ?ということになりがちである。
ここに挙げられているのは、そういった意味で古びにくいものが多いように感じる(例外は、米国元大統領のびっくり語録。今となっては賞味期限的にちょっとどうかな?と思う。私も当時は、結構笑ったり呆れたりしていたけど)。
科学ノンフィクションであれ歴史ノンフィクションであれ、優れたノンフィクションは、背後の「人間」が透けて見えるものが多い。
人がこのように課題に取り組み、このように夢破れ、このように邪悪な行動をし、このように崇高に振る舞い、このように泣き、このように笑った。そしてそれが実話であるということ。
そこがノンフィクションの醍醐味だろう。
本書に挙げられているのは、人の心をふるわせる力を持ったノンフィクションの数々であることには違いなさそうだ。
ノンフィクション好きの人であれば、どんな本が挙がっているのか、めくってみる価値はある本だと思う。
*本書に紹介されていたうち、自分の読んだ本は13冊、読みたいかなぁと思う本がそれとほぼ同数。多いんだか少ないんだかよくわからないが。
*脳についての本であれば、ラマチャンドランが入っていてもよいような・・・。でも細かいことをいうとキリがないか・・・。
- 感想投稿日 : 2013年3月26日
- 読了日 : 2013年3月26日
- 本棚登録日 : 2013年3月26日
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