きのこには「描きたい」と思わせる魔力がある!?
欧州と日本のきのこを描いた図譜を収録。その数、14。
淡い色彩のもの、強い描線のもの、どこか幻想的なもの。画風はさまざまだが、どれも時間を掛けて観察し、手間暇掛けて描いた感がある。
欧州の図譜は、それぞれのきのこの名前が原著に出ているものしか記載されておらず、和名がよくわからないものがほとんど(そもそも和名がないかもしれないし)。でもなんとなく見入ってしまう。
『里山のきのこ』や『きのこ ―ふわり胞子の舞』で見たツチグリによく似たきのこもある。これ、てっぺんを突いてみたいなぁ。
南方熊楠の図譜は、絵もさることながら、びっちりと書き込まれた英文注釈に目を奪われる。
驚いたのは、『昆虫記』のファーブルもきのこ図譜を残していること。繊細で優しい色合い、どこかメルヘンチックだ。
ジョン・テニエルもアーサー・ラッカムもきのこを描いた(本書は図譜中心なので、こちらに関しては挿入されたコラムで触れられているだけだが)。エミール・ガレもきのこ型のランプを作製した。
きのこには人を虜にする魔力があるのかもしれない。
*図書館に予約を入れてから、ずいぶんと経ってしまいました。きっと借りた皆さんがきのこに魅入られてしまっていたのでしょう(^^;)。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
生物
- 感想投稿日 : 2013年1月14日
- 読了日 : 2013年1月14日
- 本棚登録日 : 2012年11月11日
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