感染症の世界史 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年1月25日発売)
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本棚登録 : 188
感想 : 23
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人類の歴史は随所でさまざまな感染症が登場することは知っていたつもりでしたが,感染症を軸として歴史の流れを眺める視点は新鮮で,読んでいるうちにだんだん目に見えない微生物が人間を操って歴史が作られてきたような気になってきます。
この本が出版されたタイミングでは今回のCOVID-19は当然まだ出現していません。本来は宿主の動物と共存していたウイルスがやがて人間への感染力を得て経済活動とともに各地へ拡大する…という流れは目新しいものではありませんが,一筋縄ではいかないのもまた同様です。
感染の具体的な経緯を読んでいると,あたかも人間が感染を広げる意図をもって行動しているようにしか思えない事例もあったりしますが,感染拡大を阻止しようとそうした行動を禁じてもうまくいかないのもまた歴史の教えるところで,人間はそういう一見愚かにもみえる行動をしてしまう存在であることを前提に対策を講じる必要があるのでしょうね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般書
感想投稿日 : 2021年5月4日
読了日 : 2020年6月7日
本棚登録日 : 2020年6月7日

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