世界の果てのこどもたち

著者 :
  • 講談社 (2015年6月18日発売)
4.14
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本棚登録 : 1215
感想 : 198
5

私のレビューにいいねをして頂いた方の本棚から、五つ星が付いている本を一冊読むようにしている。
自分では手に取らなかったような本を読むことが出来る。
そして読んでよかったと思える本に出会うこともある、この本のように。
高知の貧農から国策で両親と満州開拓団(作物は良く採れ、食事には満足できるくらい)として渡った珠子。
同じく貧しさからの脱却を目指し満州に行った在日朝鮮人(差別が酷く様々な苦労)の娘美子。
横浜の貿易商の娘で、裕福(おやつにミルクと砂糖をたっぷりかけた苺を食べるくらい。時局が悪化している中、入学式に綺麗なワンピースを着て行き、非国民と陰口をたたかれる)な家庭の茉莉。
珠子は中国残留孤児、美子は在日朝鮮人、茉莉は戦争孤児となり、それぞれ大変な苦労をしつつ、懸命に生きていく。
3人は子供時分に満州で会い、ちょっとした冒険を行い、おにぎりを分け合うが、その思い出により彼女達は再び友人となれる。
戦中・戦後・中国残留孤児など大変よく調べられ、リアル(横浜大空襲とか、戦後の様子など祖母に聞いた話と一緒)に描かれた小説であり、戦争を知らない多くの日本人に読んでもらいたい本である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年5月28日
読了日 : 2018年5月26日
本棚登録日 : 2018年3月15日

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