真の保守を貫く小林よしのりと、真のリベラルを体現する井上達夫の対談。左右の主要論点である、天皇、憲法、歴史史観を巡り、二人の主張を展開する。通読して感じたことは、もちろん対立する思想の相違は融解する事は無いのだが、なぜか目指す方向性というか、根本的な考え方というか、そんなものは驚くほど似ている。基本的に二人とも愛国心が強いからではないかと考えたが、どうであろうか。ここまで書いて、ふと、三島由紀夫と東大全共闘の議論を思い出した。三島氏は全共闘に「君らが天皇さえ認めれば、私は君らと共に戦える」と言った。結局全共闘側はその問いに答えられなかったのだが、この気持ちと同じものを、小林・井上両氏に見た気がする。
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- 感想投稿日 : 2017年7月21日
- 読了日 : 2017年7月15日
- 本棚登録日 : 2016年11月26日
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