日本の防衛10の怪

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  • 草思社 (2012年1月11日発売)
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感想 : 3

日本の防衛は非常に歪な状態であろう事は素人でも想像できることだ。正面装備は陸海空とも超一流だが、銃砲弾の備蓄量が少ないとか、そもそもが困難で不利な専守防衛という発想や、実際の戦争時に兵力をどう展開できるのか、民間の資材人材を戦争に転用可能(私有地に塹壕を掘れるか?)なのか等だ。この本は現状と理想の狭間で、実現可能且つ効果的な国土防衛策を考えるものである。なんといっても日本の地理の特質を考えた防衛力整備がなされていないというのが主張だ。日本の形状は横に細長く島嶼ばかりで、奥行きが殆ど無いという状態だ。しかしそれはアメリカや中国・ロシアにとって、日本が自分の側に有れば、太平洋での展開が非常に有利になるものである。ここで提案されている石垣島の要塞化などは、すぐにでも取り掛かってもらいたいほど有効と思われる。そして最後は結局のところ人であり、いかに人材を永く確保する必要があるかということで結ばれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年1月19日
読了日 : 2012年2月27日
本棚登録日 : 2012年2月27日

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