ある情景を頭に浮かべてみる。 <br>
それは、自分の部屋でもいい、実家のげんかんでもいい、会社のオフィスでも、学校の教室でも、近くの公園でもいい。 <br><br>
さて、ではそれを実際に文章にしてみようとすると、その難しい事難しい事・・・。<br><br>
北方謙三の面白みを語るにあたって、この風景描写、情景描写というのを語らずにはおられない。 <br><br>
この白日においては、主人公の家、船、海の三箇所しかほとんど出てこないといって良い。 <br><br>
しかし、まるで毎日通っているはずの道を、全く知らない道のように書いてくれるのが北方謙三だ。 <br><br>
ただし、北方作品の多くにあるようなバイオレンスシーンはこの作品ではほぼなし。<br><br>
それでいて、この作品には暴力というものが内包されている気がする。 <br><br>
人が内包している暴力というものを、釣りそして能面というものを通して書いている作品ではないでしょうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本
- 感想投稿日 : 2007年9月2日
- 読了日 : 2007年9月2日
- 本棚登録日 : 2007年9月2日
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