ミュージック・ブレス・ユー!!

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2008年7月1日発売)
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本棚登録 : 680
感想 : 134
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ふと読みたい発作がやってきた津村さんの本。
ひさしぶりに(ポースケぶり)手にとってみました。
どれがいいかなぁ・・て悩んで選んだのがこの本。
音楽がらみっぽかったので。
津村さんの文章は、わたしにとってはわりと読みづらい。ちょっと頑張らなければいけない感じ。するするといけなくて手ごわい。
でもこの本は、ポースケのときよりは読みやすかった。
ビビビとくる箇所もあったし、学生の頃を思い出した。
主人公のアザミのキャラも立ってるし、皆にくめないキャラ。
印象的だったのは、アザミが言葉に出す前にいろいろ考えているシーン。自分が思ってることをうまく言葉にできないもどかしさ。すこしわかるような気がした。

【気になったぶぶん】
・フェスのチケットは買わずに外側から見るという友達に対するチユキの発言「これからなんでも半端にして生きてくやろう」
・A5のノートは六列に区切られていて、それぞれ左から、月日・曲名・アルバム名・アーティスト名・評価・備考が書き込めるようになっていた。評価をするのは一度きりではなく、聴くたびに記録するので、同じ曲について日が変わるごとに何度も書き込むこともある。それは念仏のようなもんやな、とノートを見せた時にチユキは言った。
・(オギウエに対して)あんたはそうやって生きていったらええやん。それは少しも価値のあることには思えなかった。そう感じる自分でいいのだ、とアザミは東京弁先生に背中を叩かれたような気がした。
・あぶらとり紙の小山を見ながら、なんかもう、これで発電とかできんかなと思う、
・二人ともメガネの、べつにおしゃれでもない身長ほぼ同じの男女が、向かい合って何を話すともなく、その片方に至っては大きなフラペチーノをひたすらもさもさ食べている。えも言われず間抜けな風景だとアザミは思う。自分ひとりで間が抜けていることや、自分片方だけがそうであることは今までよくあったし慣れっこだったが、自分と同じぐらい間抜けな人を前にすると不安になる。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年5月7日
本棚登録日 : 2016年5月7日

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