「肉食系」ヒロイン「草食系」が主人公をひたすら守る展開が続いてきたが、ここに来て真相に近づいてくる…と思っていたら肩すかしを食らう。ただ、仄の過去の一部が読者に明かされているから、なぜヒロインが彼に執着する理由が明らかになる日も遠くないだろう。今巻の話の中心は、妹が現実世界で再現した妹の妄想だが、 妹のブラコンぶりは、端から見ても異常である。ヒロインの仄に対する執着っぷりも、もはや「ストーカー」の範疇を超え、どう表現したらいいのかわからないほど。現実世界でこのような関係になったら、血で血で争う事態になることは容易に想像できるが、この話でそういう展開にならないのは「どんなことがあっても仄を守る」という点で両者の利害が一致しているから。知名度という点では地味な存在だが、作者が綴る世界観は、市場に溢れている質の悪いラノベよりも遙かに上質である。このマンガに触れる度に、さっさと真相が明らかになって欲しいと同時に、この物語がずっと続いて欲しいと願うファンは多いだろうね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2016年5月14日
- 読了日 : 2015年12月16日
- 本棚登録日 : 2015年12月16日
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