フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (ファンタジア文庫)
- KADOKAWA (2010年8月20日発売)
学園SFミリタリーアクションシリーズ完結!長かった割には、けっこうあっさり終わったかな……という印象だけど、かなめと宗介の物語としてはおさまってよかったです。私は、一番かなめの「かなめらしさ」が好きだったので、宗介の恫喝に、いいぞやれやれ~な気持ちでした。「やりなおし」がきく状況で、「やりなおし」を選択するかどうか、そこまでやり直しちゃうと、それはもうその後のつながりの強さも、お互いを思う気持ちも、全否定しちゃうことだよね。「そんなこと」はわかっていたけど、やっぱりそうだなあとあらためて思いました。人の死も、そういうものだと思います。
テッサとレナード、そしてカリーニンの物語はもうちょっと書きこんでほしかったなあ。もっとぶ厚くてよかったのに~。あの人は……いなくてもよかったかも(笑)。シリーズとちゅうのシリアスフェーズから、面白さがちょっと少なくなってしまった気はするけれど、中盤の面白さは鉄板。ミリタリー・アクションが苦手な女の子でも、学園ラブコメとか、楽しめるポイントがあると思います。少年向けなのに女の子の気持ちがよく描けているのもとても好きだったシリーズです。都合のいい女の子ではなく(というかどっちかというと「都合の悪い女の子」だよね(笑))、矛盾を抱えた、そしてかっこいい女の子がきちんと生きている物語でした。
それに比較すると宗介は……私は宗介の情けない(子犬っぽい)ところも好きだったので、あの髪を切るシーンとかも好きだったのですが、そういうところが最後はなくなってかっこよさだけのこっちゃったのがちょっと残念かも(笑)。あのあたりはちょっと残しておいた方が、かなめも喜ぶと思うんだ~。らぶらぶっぷりは短編集で読めるのかなあ。シリアスが終わったので、コメディでぜひとも壊れてほしいです。
- 感想投稿日 : 2018年11月23日
- 読了日 : 2010年8月20日
- 本棚登録日 : 2018年10月12日
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