★2に近い★3という感じ。凄くつまらないというわけではないのでこの評価。
主人公シャーロットは自分を素敵だと思っていて、周りからも評価が高い女性……なんか気に食わない書かれ方だなあと反感を抱いた。そして彼女が不倫をしているという事実が明らかになったときは、まったく共感できんわ、とあきれた。ルイスに「(君は)感受性が強い」と言われていたが、いやいやいや……とツッコミたくなった。
p.49“グウェンといっしょにいると退屈し”という書き方はフェアじゃないと思う。どちらかというと病気にハラハラしないだろうか。後から読むと辻褄の合わない文章が出てくるのはご愛敬か。
「伏線も推理の過程もほとんどなしで、いきなり犯人の名前を書いたら意外性あってビビるでしょ?」的な自称ミステリーはよく見かけるしガッカリするのだが、これもその類で、ミステリーとは呼びたくない。どちらかというとロマンス小説だろう。(そう考えると、アガサ・クリスティーって偉大だなあ、と感じ入る。)
だが、ロマンス小説にしてはラスト「シャーロットは自業自得!因果応報!」という声が聞こえてくるようで、一応イースターという救いはあるものの、題名(というか原題)の意味とは……と考えると、実はこの作者、シャーロットに感情移入して書いていたわけじゃないんだな、とハッとする。解説によると、「ミラーにしては珍しく能動的で健康的な女性をヒロインにした」とあるから、普段の彼女の作品はこんな感じではないのかもしれない……この作品だけで判断するのは早急だろう、と思い直した。
心理描写や比喩表現も最初は「私ウマいこと書くでしょ?」という顔が透けて見えるようでちょっと……と思ったが、読み終わる頃には受け入れられるようになった。
イースターがなぜシャーロットに惹かれるようになったかは謎だが、彼の行動が結構気になっている自分がいた。というかそれが一番の見どころだったかもしれない。ルイスはさすがにないだろうし、イースターに落ち着くだろう、という予想は一応当たって安心した。
- 感想投稿日 : 2016年10月21日
- 読了日 : 2016年10月21日
- 本棚登録日 : 2016年10月21日
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