澤田瞳子さん、はじめましての作家さん。
ふだん歴史小説はあまり読まないのですが、
和歌好きなのと、
この『泣くな道真』という響きが良くて読んでみました。
一番印象に残ったのは、道真公と僧侶、泰成の場面。
行き倒れの老人の枕元に掛けられた如来画…。
それを見て、仏様の画の本来置かれるべき場所を知る。
そして、”何とかという貴族”が詠んだ詩として、
道真作の「寒早十首」を批判され、自分の都での生き方を悔いる。
”日本史上、最も有名な左遷された男”
言われてみればそうですね。
右大臣にまで出世しながら左遷され、
憤死の後、怨霊にまでされ、
果ては神様だもの。
でも、その大宰府での日々が
悲嘆にくれるばかりでもなかったとしたら…?
欲を言えばユーモア小説として、
もっと道真公にはじけてほしかった気もしますが、
楽しく読めました。
著者の他の作品も読んでみたくなりました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
さ行
- 感想投稿日 : 2015年9月26日
- 読了日 : 2015年9月25日
- 本棚登録日 : 2015年9月26日
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