烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年6月26日発売)
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本棚登録 : 1264
感想 : 274
4

平安絵巻を彷彿とさせる、絢爛豪華なファンタジー。
舞台は八咫烏一族が司る宮廷。
日嗣の御子のお妃候補として登殿した4人の姫君。
春のあせび・夏の浜木綿・秋の真赭の薄・冬の白珠。
そして、なかなか姿を現さない若宮。

とにかく姫たちの衣の描写が美しくてうっとり。
蘇芳・瑠璃紺・山吹・露草・紅・薄萌黄・檜皮色・・・
世の中には、こんなに美しい”色”があるんですよね。
登場人物の名前の由来はあの和歌から?などと思い巡らしたり、
古典や着物が好きな私は、もうそれだけでうれしい。

白珠の初恋には泣きました。
真赭の薄の意外に男前なところも、浜木綿の清々しい潔さも魅力的だけれど、
王子様は結局、無邪気なお姫様を…といった少女マンガ的な結末と思いきや、
そうではありませんでしたね。
松本清張賞ということで、ミステリーなんだろうとは思っていましたが、
まさか、まさかの鮮やかな反転でした。

満を持して登場した若宮の見事な(?)お裁き。
それが少々鼻につくところもあったので、
「ガツンと一発」に驚きながらも、よくやった!(笑)
続編が楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行
感想投稿日 : 2016年9月15日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年9月13日

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