平安絵巻を彷彿とさせる、絢爛豪華なファンタジー。
舞台は八咫烏一族が司る宮廷。
日嗣の御子のお妃候補として登殿した4人の姫君。
春のあせび・夏の浜木綿・秋の真赭の薄・冬の白珠。
そして、なかなか姿を現さない若宮。
とにかく姫たちの衣の描写が美しくてうっとり。
蘇芳・瑠璃紺・山吹・露草・紅・薄萌黄・檜皮色・・・
世の中には、こんなに美しい”色”があるんですよね。
登場人物の名前の由来はあの和歌から?などと思い巡らしたり、
古典や着物が好きな私は、もうそれだけでうれしい。
白珠の初恋には泣きました。
真赭の薄の意外に男前なところも、浜木綿の清々しい潔さも魅力的だけれど、
王子様は結局、無邪気なお姫様を…といった少女マンガ的な結末と思いきや、
そうではありませんでしたね。
松本清張賞ということで、ミステリーなんだろうとは思っていましたが、
まさか、まさかの鮮やかな反転でした。
満を持して登場した若宮の見事な(?)お裁き。
それが少々鼻につくところもあったので、
「ガツンと一発」に驚きながらも、よくやった!(笑)
続編が楽しみです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
あ行
- 感想投稿日 : 2016年9月15日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2016年9月13日
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