デビュー作『メルヘン』は再読。
まさに夢を見ているような、しかも細部まで克明な夢を見ているような小説。
設定なんてはなからどうでもよいと思って読むと楽しめた。笑えた。読者が何日もかけて本を読み通すように、書き手もその日その日の気分で書いている。それを無理から統合しようとすると、面白い物語ができる。本書は逆に、そんなお約束をはなから信じていない。分裂している。むしろ本書は、ランダムにページを開いて読むと楽しめる気がする。
表題作と比べると、再掲されているデビュー作はすごくわかりやすい。物語としてすら読める。
読書状況:未設定
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カテゴリ:
小説・詩
- 感想投稿日 : 2016年7月9日
- 本棚登録日 : 2016年7月9日
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