匿名芸術家

著者 :
  • 講談社 (2015年6月11日発売)
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本棚登録 : 75
感想 : 8
5

デビュー作『メルヘン』は再読。
まさに夢を見ているような、しかも細部まで克明な夢を見ているような小説。
設定なんてはなからどうでもよいと思って読むと楽しめた。笑えた。読者が何日もかけて本を読み通すように、書き手もその日その日の気分で書いている。それを無理から統合しようとすると、面白い物語ができる。本書は逆に、そんなお約束をはなから信じていない。分裂している。むしろ本書は、ランダムにページを開いて読むと楽しめる気がする。
表題作と比べると、再掲されているデビュー作はすごくわかりやすい。物語としてすら読める。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・詩
感想投稿日 : 2016年7月9日
本棚登録日 : 2016年7月9日

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