不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか? (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2019年1月17日発売)
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感想 : 43
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けっきょくのところ証明しえない別宇宙の存在。それを科学的、理論的に行けるところまで追究しようという本書の態度は、幽霊の探求とさえ見えてきた。
とはいえ、すごく魅力的だったのは、レベル1マルチバースの中に無数のユニバースが内包されているのなら、マルチバースは体積が無限であるがゆえに、あるレベル1ユニバースにおいて自分とまったく同一の意識が実現しうるという可能性。
これは言ってみれば、自分は無神論者であり、同時に生にそれほど執着があるほどではないけれども、復活の可能性であり、輪廻転生の可能性だ。
再生しうる意識が別宇宙にも並行してあるとすれば、こんなにわくわくすることはない。死んだ後になお、何かが展開するのなら、これは大変なことだ。逆に、科学がそれを検証できない、「死んでみなければわからない」というところが、何とも小気味よい。
あるいは、レベル1マルチバースさえ包含するレベル2マルチバースさえあるとすれば、それはもう、恍惚とさせられる。too muchなひしめく存在の中にあって消滅する肉体の意味とは。考えだすと、愉快になってくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2019年3月26日
読了日 : 2019年3月26日
本棚登録日 : 2019年3月13日

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