「バカ」はバカなりに生きろというのが本書のメッセージ。いま流行りの承認欲求とやらはまだ生まれたばかりの赤ん坊には生き延びるために必要かもしれないが、資本主義がその欲求の肥大化を煽るがために、バカが量産されているという。バカというのは、本書では「身の程知らず」くらいの意味合いだろう。それから、やたらと自由を求めるのがバカの属性。生まれながらにして個人はひとりひとり違っており、にもかかわらず「平等」を喧伝するのは欺瞞のいたり。そもそも言語の本質からして「区別」なくしては成立しないのであり、したがって各国民の意見を一単位とする民主主義もまた欺瞞であり……中途半端なリベラルを根本から否定する痛快の書。まだ完全にものにしていないので、再読したい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2018年9月10日
- 読了日 : 2018年9月10日
- 本棚登録日 : 2018年9月9日
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