何より、熊谷守一を神秘化した、超俗な仙人的イメージが、がらりと一新、180度回転するのが驚き。本書にならって世界的な抽象表現の文脈に置き直してみると、熊谷守一がいかに理論的(それは同時代人たちにとっては周知の事実だったらしい)で、方法的だったかがわかる。実作者である著者だからこそ、ようやく本書にあるような達成がなされたわけで、私たち(ひょっとして私だけ?)が日頃いかに雑な思考をしているかが痛いほどわかる内容になっている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
美術・デザイン
- 感想投稿日 : 2018年12月29日
- 読了日 : 2019年1月4日
- 本棚登録日 : 2018年12月19日
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