ギュスターヴ・クールベは「オルナンの埋葬」と「画家のアトリエ」に圧倒されて以来ずっと好き。
フェルメールの絵と同じく全作品を見にいきたい。とくに「追い詰められた雄鹿」はどうしても本物を見たい。
上の2作は神話とか寓意画を画題とすることの多いいわゆるサロンから不評を買った。なぜなら市井の人々を描いているから。
とはいえ、神話を題材にしたような古典的な絵のスタイルの名残りはある。ただ、そこに描かれる人物たちがやけに生々しいからマネと同様猥褻とみなされたのかな。
サロンではさほど認められず、しかもパリ・コミューンに関わって逮捕され、不遇のうちに亡くなったイメージのあるクールベだけど、本書はそんなアウトサイダー的なクールベ像とは別の側面も詳細な検証によって明らかにしてくれている。
クールベの風景画は本書で初めて見たけど、最晩年に描かれた「ダン・デュ・ミディ山」など、かなり良い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
美術・デザイン
- 感想投稿日 : 2022年6月6日
- 読了日 : 2022年6月6日
- 本棚登録日 : 2022年6月6日
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