言語の七番目の機能 (海外文学セレクション)

  • 東京創元社 (2020年9月25日発売)
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感想 : 4
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批評家ロラン・バルトが交通事故で亡くなったのはなぜか?
言語学者ヤコブソンが「言語の七番目の機能」について書いた原稿をめぐる騙し騙されのサスペンス。そこにフランス大統領選挙が絡んできて……

といっても、途中から、もはやストーリーなんてどうでもよくなってきた。というのも、事件にはミシェル・フーコーやジャック・デリダやドゥルーズ、ガタリ、クリステヴァやソレルス、ウンベルト・エーコなど、実在した(する)錚々たる時の思想家、哲学者、作家が登場し、事件と関わってくる。彼ら彼女らのやりとりがそれは面白くて。一人だけでも手に負えないのに、よくもまあこれだけの人物を登場させようと思ったものだ。

最高だったのは、著者が映画『ファイトクラブ』想を得たという「ロゴスクラブ」。あるテーマについて二人が議論し、挑戦者が負けると指を(あるいはもっとすごい部分を)切られるというルール。夢中で読んだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・詩
感想投稿日 : 2020年11月20日
読了日 : 2020年11月20日
本棚登録日 : 2020年11月3日

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