過去と未来の間――政治思想への8試論

  • みすず書房 (1994年9月8日発売)
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感想 : 10

本署は、異なる時期に書かれた論文・試論が掲載されていますが、私が最も強い印象を受けたのは「教育の危機(教育に関する試論)」です。learnが軽視され、doに偏りplay(遊技)にまで堕ちた高等教育、リベラルアーツが消え、職業教育を謳う大学は、今の日本の大学・大学院の姿そのものです。それ以上に、子供を一人前の社会人に育て上げるために最低限必要な、日々子供の様子に注意する生活は、仕事と両立できることではありません。仕事が中途半端になるのは己に跳ね返るだけですみますが、子育ては子供、ひいては社会の未来がかかっています。最近よく聞く、地域の人々で見守りましょう、という標語は、だれも責任を負いませんと主張しているのと同じではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: my library
感想投稿日 : 2010年5月12日
読了日 : 2010年5月11日
本棚登録日 : 2010年5月11日

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