わたしは、たくさんのわたしをとおって、ここに来る。
本をよく読む中学生・高校生なら、この主人公の気持ちがわかる子がいるのではないか。自分は他の子より頭がよくて、クラスメイトは皆馬鹿で、本の話なんかできない。間違っていることは、正したい。大人には、愚かな人がいる。わたしは、いい子。奈ノ花が出会った3人の風変わりな友人は、奈ノ花が迷う選択の際にヒントをくれる。奈ノ花が見つけた、「幸せとは何か」の答えは。
途中で消えてしまう、3人の友人、南さん、アバズレさん、おばあちゃん。それは奈ノ花のありえた未来だった。人生の大きな選択を前に、違う方を選んだのが、南さんであり、アバズレさんだった。おばあちゃんは、どうなのだろう。消えたということは、やはり、ありえた未来で、奈ノ花の選択によって消えたのだろうか。
『君の膵臓をたべたい』もそうだったが、この作品も「選ぶこと」がテーマになっている。自分で選べること、それが幸せ。この大切な人生の法則を知った奈ノ花は、きっと幸せをつかむだろう。
文章が、いかにも小学生の作文のようで、それがまた秀逸だと思うのだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
913: 小説. 物語
- 感想投稿日 : 2018年12月31日
- 読了日 : 2018年12月30日
- 本棚登録日 : 2018年12月31日
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