向田邦子がこの世に残した遺言状。
彼女が亡くなったときに世間や遺族がどうであったのかリアルタイムで知らない私には、筆者の心労はわかるわけもないのだが、そうであっても胸が痛く涙がこぼれた。
つくづくできる人なのではなくどこか抜けていて人間臭さのある女性。しかし、その身に備えた職業としてはプロであり言葉の切れ味は天下一品であった。遺言状にも人の性格が出るのだなあ。
「どこで命を終わるのも運です。」
骨までしみいる言葉だった。
(20121004)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ・随筆
- 感想投稿日 : 2012年10月4日
- 読了日 : 2012年10月4日
- 本棚登録日 : 2012年5月26日
みんなの感想をみる